孫子の兵法 第八 九変篇~ビジネスでは状況に合わせて変化させた手を打とう~
こんにちは!ヒイフウです。
今回は孫子の兵法 第八 九変篇の名言と活用例を紹介します。
第八 九変篇
『智者の慮〔おもんばかり〕は必ず利害を雑〔まじ〕う。
(名将は何事をするにも必ず利害をあわせて考える。)』
→
物事には利害があります。メリットだけ、デメリットだけということはありません。
仕事や生活でデメリットやリスクの無い案や選択肢を探し続けることは時間の無駄です。
仕事でも、老害と言われるようなリスクを取らない人達は、
ひたすらデメリットやリスクの無いプランを検討することに時間を使ってしまい、
時間をいたずらに消費して結局動かないということがあります。
我々はそのようなダメな完璧主義者になるのではなく、
どのような案にも長所と短所があることを認識した上で、
その案の中から少しでも長所のほうが大きい案をさっさと選ぶべきです。
選択に迷うような問題はつまりどっちの案でもあまり変わらないということ。
迷ってる時間がもったいないので、どちからの案にさっさと決めて、
残った時間をその決めた案の成功確率を上げるための助長補短の策を練ることに使うほうが効率的です。
『必死は殺す可きなり。必生は虜にする可きなり。忿速は侮る可きなり。廉潔は辱しむ可きなり。民を愛するは煩わす可きなり。
(決死の覚悟でひたすら戦うことしか考えないようなら殺すことができる。生きることばかりを考えるものなら捕虜にしやすい。短気で怒りっぽいなら馬鹿にすれば思慮分別を失わせることができる。利欲がなくて潔癖すぎるなら侮辱すれば計略にかけやすい。情にもろい性格ならその部隊に苦労を強いれば戦意を失わせることができる。)
→
敵の状況や特性を把握した上で、それに合わせて策を変化させて適切な手を打てば楽に勝てます。
相手が何を一番欲しているのか、何を大切にして何が嫌いか、日頃から仕事に関わる周りの人をよく観察しましょう。
新しいことが好きな人にはその企画や提案がいかに新しいか説明し、
出世が大事な人にはその案に乗れば出世が近づくことをほのめかし、
正義感の強い人にはその案がいかに正しくて世の中のためになるのかを伝え、
人情派の人には時には飲みに行って泣き落としも効果的でしょう。
このように相手の状況に合わせた手を打てば勝率は高まります。
では、今回はここまで!
どうもありがとうございましたー!
孫子の兵法の過去記事はこちらから↓
孫子の兵法 第七 軍争篇 ~有能なトップは局面に合わせた戦略を練る~
こんにちは!ヒイフウです。
孫子の兵法 第七 軍争篇の名言を紹介します。
第七 軍争篇
『其の疾きこと風の如く、
其の徐かなること林の如く、
侵掠すること火の如く、
動かざること山の如く、
知り難きこと陰の如く、
動くこと雷震の如し。
(風のように迅速に進み、
林のように整然と待機し、
火のように激しく攻撃し、
山のように泰然と動かず、
姿や意図は闇のようにわからず、
行動は雷鳴のように激しい)』
→
軍を操る時には
めっちゃ速く動いたり、どっしりと動かなかったり、
すんげー激しく攻撃したり、
状況にあわせて戦い方を大きく変化させることが効果的です。
仕事に真面目に取り組む時もあれば、
楽しんで陽気に話す時、静かに聞く時、
明るく周りを盛り上げる時、周りを落ち着かせる時、
そのように状況に合わせて自分を変化させたり、
組織を変化させることができる人が名将です。
『朝気は鋭く、昼気は惰し、暮気は帰る。
故に善く兵を用うる者は其の鋭気を避け、其の惰気を撃つ。
此れ気を治むる者なり。
(人間の気力は、朝は鋭く冴えていて、昼は鈍ってきて、夜は衰えて休息を欲する。
名将は敵軍の気の新鋭な時を避けて、気が鈍っている時に攻撃をする。
これが気を治める者である)』
→
朝は集中力が高くても昼過ぎには疲れてくるし夜には眠くなります。
名将は相手が疲れてきた頃や夜中などに攻めることで敵軍に打撃を与えます。
この人間のライフサイクルの原則は太古の昔から現在まで変わっていないので、
現在のビジネスや生活にもこの戦術は効果的です。
例えば、私は集中力を要する仕事や難しい仕事を頭が冴えている朝一に入れることが多いです。
睡魔が襲ってくる午後一には強制的に起きているように自分がよく話す会議を入れて、
夜にはなるべく仕事よりも家族や友人とリラックスして過ごす時間を優先します。
また、相手にもこの一日のサイクルがあるのでそれを利用することもできます。
話をよく聞いてほしい会議は午前中にセットする、
怒られそうな会議や嫌な会議は相手が昼ごはん食べてご機嫌かつ眠くなっている午後一にセットする、
短く早く切り上げたい会議は就業時間終了直前の相手も早く帰りたい時間帯にセットする、
相手が準備できていない時に一気に奇襲をかけてたい時は夜の時間帯や出社直後に突然押しかける、
など相手のサイクルを意識して自在に攻撃をしかけられればあなたも立派な気を治むる者です。
『囲む師は必ずかく。
(敵を包囲した時は、わずかに逃げ道をあけておくべきだ。)』
→
敵に背水の陣をしかれると
たとえ勝ったとしてもこちらへの損害も大きくなるため、
相手を追い詰め過ぎずに逃げ道をあけておきましょう。
窮鼠猫を噛むという言葉があるように、
弱い相手でもギリギリの状況になれば
強者に打撃を与える最後の抵抗をしてきます。
そのため、完全に包囲するよりも
あえて敵に逃げ道を残しておくほうが
自軍の損害が小さくなります。
ビジネスや日々の暮らしで、誰かを叱ったり非難する時も
相手に逃げ道を残してあげることが優しさです。
完璧なロジックで相手を論破して追い詰め過ぎてしまうと
相手の心に深い傷を残したり
会社を辞めてしまうリスクがあります。
それよりも相手に言い訳をできるように逃げ道を残してあげて、
次に挽回のチャンスを与えてあげるほうが得策です。
では、今回はここまで!
どうもありがとうございましたー!
孫子の兵法の名言を最初から読みたい方はこちらからどうぞ↓
孫子の兵法 第六 虚実篇 ~戦略家は先手必勝で敵味方を自由に動かす~
こんにちは!ヒイフウです。
孫子の兵法の名言シリーズ、今回は第六虚実篇の名言を抜粋して紹介します。
第六 虚実篇
『善く戦う者は、人を致して人に致されず。
(戦いに巧みな人は、相手を自分のペースであやつるが、
相手に思うままにされることはない。)』
→
仕事や人間関係で主導権を握りたいのであれば
何よりもまず先手必勝が大事です。
仕事での金額交渉、契約書の交渉など、
あらゆる交渉事は最初に出された案をベースに議論が始まるため、
最終的に合意した案はどうしても最初に出された案に近いもので決定します。
そのため、相手の出方を待つのではなく、
最初から準備を万端にしておいて
こちらから最初の一手を出すべきです。
その時に最初は少し無理かなと思うくらい
こちらに有利な条件を突きつけたほうが
後々の交渉で余裕のある譲歩が可能となります。
『敵人をして自ら至らしむるは、之を利すればなり、
能く敵人をして至るを得ざらしむるは、之を害すればなり。
(我に有利なところに敵が自分から出てくるようにさせることができるのは
利益で釣るからであり、我に不利なところに敵が出てこないのは
それによって損害を受けるようにしておくからである。)』
→
ナポレオンは『人を動かす2つのテコは恐怖と利益である』と言いました。
孫子も利益と恐怖を敵に見せることで敵を思うままに動かし、自身の強いところで敵の弱いところを攻めよと言っています。
ビジネスの場でも儲かる話・得する話には人が寄ってきます。
こうすればあなたは得しますよというメッセージを伝えたり、
こうするとあなたは損をしてしまいますよとメッセージを伝えることで、
その人の行動を操ることもできます。
例えば、利益と恐怖で人を動かす例を以下に記載します。
「この提案を受けると儲かる」
「この企画を通せば褒められる」
「この商品を買うと得をする」
「これを買っておかないと損をする」
「この企画を通さないと株主や顧客や上司から怒られる」
「この法制度対応をしておかないと罰せられる」
など、言い方は様々ですが、
決裁者や交渉相手やお客さんや動かしたい人が何を重視しているのかよく考えて、
その人が一番欲するものを与えてあげたり
その人が一番嫌がることを遠ざけてあげたりすることで
人を動かすことができます。
『攻めて必ず取る者は、其の守らざる所を攻むればなり。
(攻撃すれば必ず奪取できるというのは、
敵の守備していない所を攻撃するからである。)』
→
敵が備えていない所や弱点を攻撃することは戦いの基本です。
競合製品と自社製品との比較検討をよくして、
競合製品の弱い点と比べて自社の優れている点をアピールしましょう。
また、競合他社がまだ戦う準備がでしていない分野、
組織も製品も備えられていない分野で戦いを仕掛けることができれば
新しいマーケットを早い時期に総取りできます。
競合が重要さに気づいていない領域や
力を入れていない分野を見つけ、
そこに自社の主力をぶつけることができれば
勝率はかなり高いでしょう。
『我は集まりて一と為り、敵は分かれて十と為らば、
是れ十を以ってその一を攻むるなり。
(味方は集結して一体になり、敵は分散して十に分かれるのであれば、
その結果は十で一を攻めることになる。)』
→
こちらの戦力も敵の戦力も同じ10だとしても、
敵は広範囲の例えば10カ所に戦力を分散させてしまうとそれぞれの戦力は1となり、
こちらは戦力を分けずに集中させれば10の戦力で敵を各個撃破することができます。
社員100人の会社が10万人の大企業と勝負する時は、
1つのニッチな分野に戦力を集中させれば勝利できます。
大企業は10万人と言ってもいろんな製品を扱っていて数多くの部署に人材を分けて配置しているので、
某製品を扱う大企業の課は10人前後ということがあります。
そのため、某製品に特化した100名の中小企業は
その分野においては大企業の10名の課よりも多くの戦力を保有しており十分に戦うことが可能です。
『夫れ兵の形は水に象る〔かたどる〕。
水の形は高きを避けて下きにおもむき、兵の形は実を避けて虚を撃つ。
(軍の態勢は水に似ている。
水が高い所を避けて低い所に流れるように、
軍は抵抗の多い所を避けて抵抗の弱い所を攻める。)』
→
水に形が無いように軍は形を変える。
敵の強いところでの戦いは避けて弱いところを攻めましょう。
水のように自由に形を変えながら攻めるのが効果的です。
例えば、企画や提案を採用する立場の決裁者の人がなかなか攻め落とせない時は、
「その決裁者の信頼している右腕の立場の人を攻めてその右腕から説得してもらう」
「決裁者が可愛がっている孫が喜ぶプレゼントを贈る。孫に好かれる」
など、攻めやすいところから攻めていくのがオススメです。
では今回はここまで!
どうもありがとうございましたー!
孫子の兵法の名言シリーズを最初からご覧になる場合はこちらから↓
全然関係ないですが今週からジョジョ第5部アニメが始まりました。
アニメ化記念の過去記事はこちらから↓
孫子の兵法 第五 勢篇 ~理想の経営者や理想のトップは勢いを使って勝つ~
こんにちは!ヒイフウです。
今回は孫子の兵法 第五 勢篇の名言と日々の生活への活用法を紹介します。
『凡そ戦いは、正を以て合し、奇を以て勝つ。
(およそ戦いというものは、正攻法で敵とぶつかり、
奇法をもって勝ちを決するものである。)』
→
どのような戦いにも正攻法と奇法の二種類があります。
この二種類の組み合わせは
その人の考えの及ぶ範囲で無数にあります。
正攻法だけでは馬鹿正直で融通がきかないし、
奇法だけでは策士策に溺れるような失敗をします。
この二つをうまく組み合わせることが勝利の鍵です。
例えば、どうしても受注したい大事な案件があり競合他社と争っている時は、
まずは正攻法として提案内容で互角に戦って
顧客がどちらにしようか迷っている状態まで持ち込み、
その後の奇法として接待をしたりゴルフをしたり
何かのお祝いの品を贈ったり
偉い人や共通の知人のコネを使ったり
いろんな奇策を繰り出すと効果的です。
これを逆の順番で使うと失敗します。
正攻法をせずに先に奇法を使ってしまうと、
実力も無いのにいきなりコネを使ったり
怪しい奴だと警戒されて逆効果になってしまいます。
つまり、まずは正面から正攻法で勢いよく敵に一撃を加えたあと、
最後のトドメとして奇法を使うことがオススメです。
『善く戦う者は、其の勢険にして、其の節短し。
(名将の攻撃は、勢いが激しく、瞬間的な衝撃を発揮する)』
『善く戦う者は、これを勢に求めて人に責めず。故に能く人を釈〔すて〕て勢に任ず。
(名将は勢いによって勝ちをえようとし、将兵の努力にばかり依存することはない。すなわち個々の人間をあてにしないで、集団としての勢いを重視する)』
→
戦いには勢いが大事です。
名将や名経営者は組織全体に勢いをつけることが上手く、
元気がある組織は伸びていきます。
あなたの周りの組織の長を思い浮かべてみてください。
みんな楽しく文化祭の前の準備の雰囲気のように仕事を楽しんでいる組織のトップは
元気で余裕があり周りを明るくするような人ではないですか。
逆に、いつもイライラ・ピリピリしていたり
暗くて私語も許されないような組織のトップは
周りを嫌な気分にさせる天才のような人ではないですか。
組織のトップたる者は組織に勢いをつけることをいつも考えて、
時には盛大に奢ったり表彰したり感謝を伝えて
組織みんなに勢いをつけるのが上手い人です。
また、誰か一人のエースに仕事を丸投げすることもなく、
誰か一人のダメ社員の失敗を責めることもなく、
いつも組織全体で成果を上げて組織全体で失敗をカバーできる人が
名将でありみんなが憧れるリーダーです。
私も会社の中ではまだまだ若手の管理職で
毎日反省すべきことばかりですが、
組織に勢いをつけて勝ち続けられるように
周りのみんなを明るくできる元気なリーダーになりたいものです。
では、今回はここまで!
どうもありがとうございましたー!
孫子の兵法の名言を最初から読みたい方はこちらからどうぞ↓
孫子の兵法 第四 形篇 ~優秀な上司・トップは戦う前に勝てる態勢を整える~
こんにちは!ヒイフウです。
前回に引き続き孫子の兵法の第四 形篇の名言の解説と活用例をお伝えします。
『善く戦う者の勝つや、智名も無く勇功も無し
(名将が勝つときは、知恵者や名作戦という評判も立たず、
勇者の功名を立てるということもない。)』
→
本当の名将は大逆転やファインプレーをしなくても楽に勝ちます。
野球の名選手はファインプレーが無く、
打球を予測してしっかり準備して守備についているので
ボールを正面で簡単に取ってアウトにできます。
また、打球を追いかける最初の一歩が早く足も速いから、
飛びついたり派手なプレーをしなくてもアウトにすることが可能です。
ビジネスにおいても同じように、
優れた経営者はピンチに陥る前に手を打つので、
一見普通で平凡な経営をしますが、
それこそが名経営者の証しです。
酒場でよく「俺は若い頃に仕事で
こんなピンチを切り抜けたんや!」とか
武勇伝を語っているおっさんは
無能をさらけ出しているかもしれないので気をつけましょう。
まあ、酒飲んだ時に武勇伝を語ったり説教するって時点で
名将ではないですね。
『是の故に勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、
敗兵は先ず戦いて而る後に勝を求む。
(勝つ軍は開戦前にまず勝利の見通しを立ててから戦争をしようとするが、
敗ける軍はまず戦争を始めてからその後で勝つ見通しを探すものである。)』
→
製品を生産する前、販売する前のマーケティングが重要です。
勝つ見込みを立ててから戦いを始めなければ勝てる確率は非常に低いので、
ある程度構想ができた段階で市場にそのニーズがあるか
顧客がその製品やサービスを求めているかしっかり聞いた後で
製品を作るというのが正しい順番です。
『勝者の民を戦わしむるや、
積水を千仞〔せんじん〕の谿〔たに〕に決するが如きは形なり。
(名将が人民を戦わせるありさまは、
蓄えておいた水を深い谷底へせきを切って落とすような
激しい勢いの戦い方をして勝つ)』
→
勝つ軍には勢いがあります。
豊臣秀吉は部下に勢いを与える才能があり、
大軍で勢いよく攻め込んで勝つということを繰り返し、
楽に勝てるから大軍が集まるという
良い循環を作って天下を取ることができました。
遠方から秀吉がめちゃめちゃ猛ダッシュで
駆け付けてその勢いのまま突撃して勝利しています。
なお、賤ヶ岳の戦いで勝利した後には、
特に活躍した七本槍と言われる若い武将達に
大量の褒美を与えることでさらに部下達を勢いづけています。
経営や組織運営においても、勢いをつけることは非常に大事です。
普段は部下に任せていても
ここぞという勝負の時には自ら陣頭指揮を取ったり、
手柄をあげた部下に特別ボーナスを出したりすることで、
組織全体に勢いをつけることができます。
では、今回はここまで!
どうもありがとうございましたー!
孫子の兵法の違う章の記事はこちらから↓
孫子の兵法 第三 謀攻篇 ~優秀な人は戦わずに勝つ~
こんにちは!ヒイフウです。
今回もビジネスに使えて、生活にも役立つ
孫子の兵法 第三 謀攻篇について紹介します。
『百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり。
戦わずして人の兵を屈するは善の善なる者なり。
(百戦して百勝することが最高に優れたことではない。戦わないで敵兵を屈服させることこそ最高に優れたことである。)』
→
ビジネスでレッドオーシャンと言われる強力な競合がひしめく環境で戦い続けた場合、
たとえ勝利を続けても充分な利益はえられません。
それよりも、ブルーオーシャンで先行してプラットフォームを作り、
後から参入してくる競合にもそのプラットフォームを利用させてあげるくらいのほうが
戦うよりも利益を得ることができます。
また、企業買収時には
敵対的買収で徹底的に戦って勝ったとしても
買収先の優秀な人材が他社に流れてしまっては勝利の価値が減ってしまいます。
それよりも、友好的買収かつ買収先の人材を主要ポストに就かせて活かすほうが
企業価値の向上につながります。
日々の生活においても、
山で出会った猛獣といちいち戦っていては怪我をするだけですので、
猛獣と出会わないように熊除け鈴をつけて歩くほうが賢いです。
また、道や駅や電車で変なおっさんに絡まれた時にいちいち戦っても利益がないので、
戦う前に普段から筋肉ムキムキのマッスルボディーを作っておくほうが健康にも良いし
おそらくそんな強そうなマッスルボディーに絡んでくる人は少ないでしょう。
『上下の欲を同じくする者は勝つ。
(上の立場、下の立場がそれぞれ共通の利害を認め心が合っている者が勝つ)』
→
組織において、立場が違うと対立が発生しやすいですが、
経営者と労働者、上司と部下、親会社と子会社、など
それぞれの立場を超越して同じ目的や同じ目標を持てた時は凄い力を発揮することができます。
他社が経営者と労働者で対立してストライキをしている時に、
かたや自社は経営者と労働者が顧客のために心を一つに頑張って働いて、
稼いだ収益で経営者も儲かってそれを労働者に還元することができれば
その会社はますます伸びていきます。
つまり、優れたリーダーとは、
立場の違う者に同じ目的と目標を示して
上下の利害を一緒にして引っ張っていける人です。
『将、能にして君の御せざる者は勝つ。
(将軍が有能で、君主が信任していて干渉しない者は勝つ。)』
→
ビジネスの場でも、
本社のトップは現場が働きやすい環境を作り
現場は部長や課長などの現場の指揮官に任せて干渉しないことが大事です。
天才と言われる陣頭指揮を執るタイプの将軍は
優秀すぎるゆえに全てを自分で手際よく片付けてしまうので、
優秀な部下がいても出番がなく育たないという欠点もありました。
現代のようなマーケットがすごいスピードで変化している状況においては、
トップが細かい事に口出しせずに
現場にある程度の決裁権を与えて部下に任せるほうが変化に強い組織になります。
『彼を知り己を知れば、百戦してあやうからず。
(敵を知り味方もよく知っておけば、百戦しても危険がない)』
→
ビジネスでは、戦う前に目的目標となる市場や顧客、敵であり障害となる競合他社をよく調べましょう。
まず市場の状況はどうか、顧客は何が欲しいのか、
顧客の決裁者は誰か・予算を出すのは誰か・製品を選ぶのは誰か、
予算はいくらか・納期はいつか・製品サービスを選ぶポイントは何か、
などマーケットや顧客について調べましょう。
次に、競合他社の戦略・組織・製品・担当者・企画内容・提案内容など
敵についての情報も調べられる限り調べましょう。
最後に、意外にきちんと理解できていない自社についても冷静に分析しましょう。
ヒト・モノ・カネは充分か、
製品やサービスはマーケットの求めるものに合致しているか・競合に勝っているか、
など冷静に分析しましょう。
これらの顧客・競合・自社の情報をよく知っておけば負けることはありません。
仮に分析の結果、自社が劣っていてどうやっても勝てない場合には戦わないという選択をすれば負けません。
では、今回はここまで!
どうもありがとうございましたー!
孫子の兵法の過去記事はこちらから↓
孫子の兵法 第二 作戦篇 ~理想の経営者・理想の上司はいつも短期決戦~
こんにちは!ヒイフウです。
前回に続いて、孫子の兵法の第二 作戦篇の名言と
現代における活用方法について紹介します。
第二 作戦篇
『兵は拙速〔せっそく〕を聞くも、未だ巧みの久しきを賭〔み〕ざるなり。
(戦争には拙〔まず〕くとも早くきりあげるということはあるが、
巧くて長引くという例はみたことがない)』
『兵は勝つを貴〔たっと〕び、久しきを貴ばず。
(戦争は勝つことが大切であるが、長引くのはよくない。)』
→
戦争が長引くと兵士や経済が疲弊するので、戦いは短期で終わらせるべきです。
たとえ勝利したとしても
数年間も戦争を続ければ自国の経済はボロボロになってしまいます。
現代のビジネスでも長期戦は避けて短期決戦を挑むべきです。
特に、ヒト・モノ・カネで競合他社に劣る中小企業は、
大企業に持久戦に持ち込まれたら勝てる可能性は極めて低いです。
受注できるまでに長い時間がかかる案件、
代金回収までに時間がかかる長期プロジェクト、
これらは経営体力の小さな企業には不利な戦いになるため、
勝てる見込みのない時は戦わないという勇気も必要です。
ビジネスの場においては
品質よりもスピードを重視するほうが良いケースが多々あります。
例えば、かき氷を売るなら夏が来る前、
暖房器具を発売するなら冬が来る前、
季節に間に合わせることは当たり前。
企画書や提案書を提出する時には、
完成度を高めて納期ギリギリに提出するのではなく、
5割くらいできたドラフト案を納期よりかなり早く提出することで
顧客や上司のフィードバックをもらうことができて
そのフィードバックをもとに納期までの間にさらに完成度を高めることができます。
つまり、テストの時間内に間に合わなかった時期遅れの100点よりも、
納期を半分以上残した状態で提出する50点のほうが価値が高いということです。
この短期決戦の法則は恋愛でもオススメです。
ウダウダ悩んだり考えたりしているうちにタイミングを逃してしまうよりも、
さっさと早く自分の思いをぶつけて告白したほうが成功確率が高いです(当社独自調べ)。
恋愛は戦争と違って負けても死ぬわけではないので、
フラれても早くまた次の戦いに向かいましょう。
では、今回はここまで!
どうもありがとうございましたー!
孫子の兵法の関連記事はこちらから↓