孫子の兵法 第四 形篇 ~優秀な上司・トップは戦う前に勝てる態勢を整える~
こんにちは!ヒイフウです。
前回に引き続き孫子の兵法の第四 形篇の名言の解説と活用例をお伝えします。
『善く戦う者の勝つや、智名も無く勇功も無し
(名将が勝つときは、知恵者や名作戦という評判も立たず、
勇者の功名を立てるということもない。)』
→
本当の名将は大逆転やファインプレーをしなくても楽に勝ちます。
野球の名選手はファインプレーが無く、
打球を予測してしっかり準備して守備についているので
ボールを正面で簡単に取ってアウトにできます。
また、打球を追いかける最初の一歩が早く足も速いから、
飛びついたり派手なプレーをしなくてもアウトにすることが可能です。
ビジネスにおいても同じように、
優れた経営者はピンチに陥る前に手を打つので、
一見普通で平凡な経営をしますが、
それこそが名経営者の証しです。
酒場でよく「俺は若い頃に仕事で
こんなピンチを切り抜けたんや!」とか
武勇伝を語っているおっさんは
無能をさらけ出しているかもしれないので気をつけましょう。
まあ、酒飲んだ時に武勇伝を語ったり説教するって時点で
名将ではないですね。
『是の故に勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、
敗兵は先ず戦いて而る後に勝を求む。
(勝つ軍は開戦前にまず勝利の見通しを立ててから戦争をしようとするが、
敗ける軍はまず戦争を始めてからその後で勝つ見通しを探すものである。)』
→
製品を生産する前、販売する前のマーケティングが重要です。
勝つ見込みを立ててから戦いを始めなければ勝てる確率は非常に低いので、
ある程度構想ができた段階で市場にそのニーズがあるか
顧客がその製品やサービスを求めているかしっかり聞いた後で
製品を作るというのが正しい順番です。
『勝者の民を戦わしむるや、
積水を千仞〔せんじん〕の谿〔たに〕に決するが如きは形なり。
(名将が人民を戦わせるありさまは、
蓄えておいた水を深い谷底へせきを切って落とすような
激しい勢いの戦い方をして勝つ)』
→
勝つ軍には勢いがあります。
豊臣秀吉は部下に勢いを与える才能があり、
大軍で勢いよく攻め込んで勝つということを繰り返し、
楽に勝てるから大軍が集まるという
良い循環を作って天下を取ることができました。
遠方から秀吉がめちゃめちゃ猛ダッシュで
駆け付けてその勢いのまま突撃して勝利しています。
なお、賤ヶ岳の戦いで勝利した後には、
特に活躍した七本槍と言われる若い武将達に
大量の褒美を与えることでさらに部下達を勢いづけています。
経営や組織運営においても、勢いをつけることは非常に大事です。
普段は部下に任せていても
ここぞという勝負の時には自ら陣頭指揮を取ったり、
手柄をあげた部下に特別ボーナスを出したりすることで、
組織全体に勢いをつけることができます。
では、今回はここまで!
どうもありがとうございましたー!
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